知財よもやま話

~鉄道は知財の宝庫~

 私達の通勤に欠かせない交通手段の一つ、鉄道。最近は、使いやすい、移動しやすい、わかりやすい、乗客に優しい施設・車両を目指した、ユニバーサルデザイン(UD)に注力した鉄道が多く見受けられるようになりました。
駅構内をはじめ券売機や改札機、鉄道本体や車内、行先の導線や警笛音など、私達が日常で使う際に、UDを感じる事も多いのではないでしょうか。
そういった私達が日常で使う鉄道には、特許は勿論、意匠、商標など、様々な物が知財で保護されている事が分かりました。

 例えば、
● 鉄道券売機の画面表示方法及び鉄道発券システム  特許第5435890号
● プログラム、乗換案内装置及び乗換案内方法   特開 2023-174115
● 防護柵   特開 2023-127860
● 軌道検測装置   特許第7393599号
● 車椅子スロープ兼避難梯子   特許第7372877号
● リニアモーターカー   意匠登録第0888968号
● 上野駅公園口駅舎   意匠登録第1671774号
●(観光列車)TRAIN SUITE 四季島   商標登録第5755771号
などがあり、そのほか、保全装置、座席、手すりやつり革、ホームドア設置構造など、昨年2023年の特許出願だけでも、その数は110件に至ります。

 人間工学実験において、使いやすさを追求する定量的検証を重ね 、鉄道関連特許出願を増やす傍ら、近年ではCO2削減の機運から世界中で高速鉄道インフラ整備プロジェクトが発表された事を受けた日本の鉄道業界は、政府と一体となってプロジェクト受注獲得へ動いています。

 日本の鉄道インフラ技術の展望を見守りたいですね。