コンビニよもやま話

~あなたもコンビニに「買わされている」のかも!!~

 私達の日常生活で欠かせなくなったコンビニ。例えば、あなたはレジにてお会計を待つ間、レジ横に置いてあるお菓子や、陳列棚の商品に手が伸びてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。このように何気なく「ついでに買っている」と思っているその行動は、実は、コンビニに「ついでに買わされている」ことをご存じだったでしょうか?コンビニは、お客に、もう一品買わせることができるかどうかが重要なポイントのようです。

 今回は、コンビニによる仕組まれた「ついで買い」の正体について、迫りました。

● 「目的の物を買った後にもかかわらず、レジ横の小さな菓子をついカゴに入れた」

● 「お弁当を買うことを決め、会計時にレジ横の飲み物もつい購入してしまった」

● 「『新メニュー』という告知を見て、チキンも一緒に買ってしまった」

 「これも欲しい」と思わず手が動く時、人は緊張状態から解放され、注意力や思考力が低下している状態、いわゆる「緊張の糸が切れた状態」となります。

 コンビニは、その状態を狙って消費者の隙をつき、購買意欲を促します。この現象を「テンション・リダクション効果」、ついで買いの事は「クロスセル」と言います。 マーケティング用語の一つですが、この行動心理学を利用した様々な経営戦略がコンビニには沢山用いられています。

 例えば…

● 売れ残り商品の「エンド効果

店内には衝動買いさせやすい場所があります。陳列棚の両端です。売れ行きの良くない商品をあえて目につく、この場所に置く事で、消費者の関心を集めます。

● 買わせたい商品の「ゴールデンライン

陳列棚の中でも、売れやすい位置・高さがあります。日本人の平均の目の高さが約140cm、見る角度が下10度、そこから割り出した目線の位置が、床から約135cm前後の高さで、最も目につきやすいと言われています。

コンビニ側が、力を入れたい新商品や人気の主力商品は、このゴールデンライン内に陳列し、それ以外の商品はゴールデンラインの上下に配列するようになっています。

例えば、駄菓子などは子どもの目線の棚に陳列されていますね。

● あと一品を買わせるための「700円購入したら引けるくじ

一般的なコンビニの平均客単価が550円~600円程度だと言われています。「もう一品」買わせるためには、絶妙な金額設定ですね。

このように、コンビニには緻密な消費者インサイトが沢山散りばめられています。

コンビニの戦略を知らずに「小腹すいたし、何か買おうか」と気軽に入ると、あれも美味しそう、これも食べたいと次々にカゴに入れて、気づいたら意に反する「プチ贅沢」をしている事になりかねません。

人間の行動心理を研究したコンビニの戦略を知る事で、もしかしたら少しだけ無駄遣いを減らせるかもしれませんね。