こんにちは!
前回、人の体を作っている細胞についてお話しました。今回は細胞の構造についてお話します。
細胞というのは「細胞膜」とよばれる膜で囲まれた小部屋みたいなものです。特殊な細胞を除き人の一般的な細胞の大きさは0.01~0.02ミリメートル。肉眼では見えません。細胞膜は細胞の内部を外部の環境から隔離して保護する役割を果たすだけでなく、物質の出入りを調整する機能も持っています。
細胞の中は細胞質でうめられていて、その中に様々な働きをする細胞小器官があります。細胞小器官の中で一番大きいのは「核」です。核は「核膜」という膜で覆われ、その中に遺伝子の情報となるDNAという分子が46本含まれています。DNAの長さを全部足し合わせると約2メートルにもなるそうです。しかし、核の大きさは約0.006ミリメートルしかありません。2メートルものDNAが0.006ミリメートルの核に収まるなんて驚きです。DNAはタンパク質に巻き付けて小さく折りたたむことで核に収めることができているのです。
「ミトコンドリア」は生きるために必要なエネルギーを、酸素を使って作ります。「リボソーム」はタンパク質の合成工場として働きます。「小胞体」には2種類あります。表面にリボソームが付着した「粗面小胞体」は主にタンパク質の合成や分泌を担い、リボソームが付着していない「滑面小胞体」は脂質の合成やカルシウムイオンの貯蔵に関わります。「ゴルジ体」はタンパク質に糖鎖などを付加して機能的に完成させ、それを細胞内外の必要な場所に輸送します。そして、「リソソーム」は細胞内の不要物を処理する役割を果たします。これらの様々な細胞小器官が1つの小さな細胞の中で協力しあい、生命を支えているのです。
すべての細胞の基本的な構造は同じだといいましたが、例外があります。それは赤血球です。赤血球は血液の細胞で酸素を運ぶ働きをするのですが、赤血球には核がありません。非常に細い血管にまで潜りこみ酸素を運ばなければならない赤血球には、大きな核は必要のないものなのです。
次回は、遺伝子の情報となるDNAについて、もう少し詳しくお話します。