こんにちは!
私が「がん」という病気を知ったのは小学生の頃、骨肉腫という病気になった女の子の本を読んだことがきっかけです。骨肉腫というのは骨にできるがんです。がんになってしまった自分と同年代の子が、つらい治療に耐えて懸命に生き抜いた姿に感動し、涙した記憶があります。子供の頃の私は、がんは治らない怖い病気だと思っていました。けれどもその後、がんという病気の解明が進み、今ではがんは早期に発見できれば高い確率で治る病気といわれています。がんに効く様々な薬も作られています。でも、がんという病気は本当に複雑で、まだまだがんの診断方法、治療方法に課題はあります。現在、二人に一人がなるといわれるくらいがんは身近な病気になりました。この病気への理解と対策がとても重要です。
がんは体の正常な細胞からがん細胞が発生し、それが異常に増殖してしまう病気です。人の体の細胞には必要な時に必要な分だけ増える仕組みがあります。その仕組みが壊れて無限に増えてしまうのががん細胞です。また、がん細胞は進行すると周囲の組織へどんどん侵入していき、元々できた場所から他の場所に移動して、新しいがんを作ってしまいます。がん細胞が他の場所に移動することを転移といいます。人の体は様々な役割を持つ器官が集まってできていて、それぞれの器官が役割をしっかり果たすことで生きていけるのです。その役割は他の器官が代わることはできません。がんがどんどん増えてしまうと、がんができた部分が本来の役割を果たせなくなり、命を維持することが難しくなってしまいます。
発生した1個のがん細胞は症状が現れないまま増え続け、10年~20年くらいかけて1cm程度の大きさになります。しかし、その後はたった1~2年で2cm程度の大きさになってしまいます。小さすぎると発見できませんが、ある程度の大きさになってからの進行がびっくりするくらい早いのです。ここに早期発見の大切さと難しさがあります。 次回は、「がん」と「腫瘍」についてお話します。