こんにちは! 前回(解析例3)、肺がんのタイプ別に多く発現している遺伝子を探し出したお話をしました。今回は、その中の、非小細胞がんで多く発現している遺伝子についてお話します。
非小細胞がんで多く発現している83個の遺伝子の発現が、肺以外の器官でどうなっているのかが気になります。そこで、『F-ExpCells』の発現データで、この83個の遺伝子の発現を調べてみました。その結果、非小細胞がんに特徴的な遺伝子は、神経芽腫と造血器の細胞株では発現が少なく、他の器官の細胞株では多く発現していることがわかりました。
肺の非小細胞がんの細胞株のうち、約70%は腺がんと扁平上皮がんです。腺上皮と扁平上皮は多くの器官に存在するので、多くの器官の細胞株で非小細胞がんに特徴的な遺伝子の発現が多かったことは納得できます。
また、非小細胞がんに特徴的な遺伝子の発現が少なかった神経芽腫は、解析例2でお話しましたが、小細胞がんに特徴的な遺伝子が多く発現していました。小細胞がんに特徴的な遺伝子が多く発現している細胞株で、非小細胞がんに特徴的な遺伝子があまり発現していないのは、がんの性質から考えると当然かもしれません。
さらに、非小細胞がんに特徴的な遺伝子の発現を、人の組織の発現データ(『F-ExpTissues』)でも調べてみました。人の組織の発現データでも、小細胞がんに特徴的な遺伝子の発現が高かったサンプル(第21回参照)で、非小細胞がんに特徴的な遺伝子の発現が少ない傾向が見られ、それ以外のたくさんのサンプルで、非小細胞がんに特徴的な遺伝子が多く発現していることが確認できました。人の組織の発現データでも細胞株の発現データと同じような傾向が見られたのです。
次回は、解析例3のうち、扁平上皮がんで多く発現している遺伝子についてお話します。









