【第26回】血液の働き ~物を運ぶ~

こんにちは!
前回は血液の成分についてお話ししました。血液は赤血球、白血球、血小板という細胞成分と血漿という液体成分からなっています。これらの成分が担っている大切な働きは主に3つ。それは『①物を運ぶ』、『②敵と戦う』、『③止血』です。
今回は血液の働きのうち『①物を運ぶ』についてお話しします。

血液が運ぶものには、肺で取り込まれた酸素や、食べ物から吸収された栄養素があります。これらは、細胞が元気に働くために必要なもの。それを血液が全身の細胞に届けています。また、体の働きを調整するホルモンも、内分泌腺から血液に分泌され、血液によって必要な場所へ運ばれます。

一方、細胞が活動すると、不要な二酸化炭素や老廃物が出てきます。血液には、それらを回収して運ぶ役目もあります。回収された二酸化炭素は肺へ、老廃物は腎臓へと運ばれます。肺では血液から受け取った二酸化炭素が空気中に放出され、腎臓では老廃物をこしとって尿を作ります。

酸素を運ぶのは赤血球の役目、そして酸素以外のものを運ぶのは血漿の役目です。

実は赤血球には核やミトコンドリア等の細胞小器官がありません。そのぶん、細胞の中には「ヘモグロビン」というタンパク質がぎっしりつまっています。ヘモグロビンは酸素と結びつくことができるため、赤血球は大量の酸素を運ぶことができるのです。

呼吸によって吸い込まれた酸素は肺に届き、さらにその奥にある小さな袋状の構造「肺胞」へと達します。血液が肺胞の周囲にある毛細血管を流れるとき、酸素は肺胞の壁を通って血液中に拡散し、赤血球のヘモグロビンと結合します。酸素を受け取った赤血球は、血液の流れにのって全身をめぐり、生命活動に必要な酸素を細胞たちに届けているのです。

血液量の約40%、つまり体重50キロの人なら約1.6リットル(500ミリリットルのペットボトルなら、約3本分とちょっとの量です)以上の血液を短時間で失うと、命の危険にさらされます。酸素を運ぶ赤血球が大量に失われることで、体中の細胞に酸素が十分に届けられなくなってしまうからです。

もちろん血液を失うと減ってしまうのは赤血球だけではありません。しかし、緊急時に最も問題になるのは、赤血球が運ぶ酸素が全身の細胞に届かなくなることなのです。特に脳や心臓は酸素を大量に必要とする器官なので、酸素の供給が途絶えると意識障害や心停止を引き起こすことがあります。それくらい、赤血球が担う酸素運搬の働きは生命維持に欠かせないものなのです。

次回は、血液の働き『②敵と戦う』についてお話しします。

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