【第27回】血液細胞の働き ~敵と戦う(前編)~ NEW!

こんにちは!
今回は血液の働きのうち『②敵と戦う』についてお話しします。

体には細菌、ウイルス、カビ、寄生虫などのさまざまな敵が入ってきます。実はがん細胞も体にとっては敵の1つです。それらと戦い体を守るのが白血球です。

白血球には、マクロファージ、樹状細胞、単球、好中球、T細胞、B細胞、NK細胞といった、たくさんの種類があります。そして、これらたくさんの白血球が協力して体を守っているのです。

マクロファージと樹状細胞は血管外にある組織の細胞と細胞のすき間にいて、体の中をパトロールしています。例えば、ケガをして皮膚に穴が開くと、そこから敵が体に侵入します。その時、マクロファージと樹状細胞が最初に敵を感知します。

マクロファージは敵を見つけると、それらを食べて退治します。さらに、マクロファージはサイトカインという物質を分泌して、血液中の好中球、単球などの仲間を呼び寄せます。必要に応じてNK細胞も加わります。サイトカインは、血管壁を構成する細胞どうしの結びつきをゆるめる作用も持っています。そのため、呼び寄せられた好中球、単球、NK細胞は、血管から戦場となった組織へと移動しやすくなるのです。

単球は、マクロファージや樹状細胞などに変化できる前駆体です。血管から敵のいる組織へ移動すると、その多くはマクロファージに変化して戦いに加わります。好中球も同じように、敵のいる組織へすばやく駆けつけ、マクロファージと同様に敵を食べて退治します。

マクロファージと好中球は、侵入してきた敵そのものを丸ごと食べて処理しますが、NK細胞はウイルスに感染した細胞やがん細胞など、敵に乗っ取られてしまった自己の細胞を見つけ出して、容赦なく攻撃・破壊します。

マクロファージ、好中球、NK細胞は、敵と判断するとすぐに行動を起こし、種類を問わず攻撃して体を守ってくれる頼もしい存在です。このように、すぐに反応して体を守る仕組みを「自然免疫」と呼びます。

白血球たちが敵と戦っている場所では、血管壁が緩み、血液が集まることで赤く腫れます。これがいわゆる炎症です。敵を食べて退治した好中球は、その過程で消耗し、しばらくすると力尽きて死んでしまいます。戦いの末に残された好中球の死骸が、膿の主成分です。一方、マクロファージは敵を食べてもすぐには死なず、長く生き残って、死んだ細胞を食べて片付ける働きもしてくれます。

さて、マクロファージとともに最初に敵を感知した樹状細胞は、この戦いには加わっていませんでした。樹状細胞には別の大事な役目があるのです。続きは次回、お話しします。

<第26回
上部へスクロール