こんにちは!
前回はマクロファージたちが敵と戦う様子をお話ししました。今回はその続きのお話しです。
マクロファージとともに体の中をパトロールしている樹状細胞は、敵を見つけるとそれを食べて、敵の特徴を示す目印を取り込みます。この目印を「抗原」といいます。すると、樹状細胞はすぐに戦いの場を離れ、リンパ管を通ってリンパ節に移動します。
リンパ節で待っているのはナイーブT細胞です。ナイーブT細胞というのはまだ敵と戦ったことのないT細胞たちです。ナイーブT細胞は抗原に特異的に結合する受容体を持っています。リンパ節に到着した樹状細胞が、敵の目印である抗原をナイーブT細胞に提示すると、その抗原にピッタリ合う受容体を持ったナイーブT細胞だけが活性化され、エフェクターT細胞に変化します。

エフェクターT細胞には、CD4という目印をもつタイプとCD8という目印をもつタイプがあります。これらの目印によって、それぞれの役割が決まります。CD4という目印をもつエフェクターT細胞は、ヘルパーT細胞としての役割を担うようになります。
ヘルパーT細胞は戦いの司令官として働きます。まず、サイトカインを放出し、戦場で実際に戦っているマクロファージや好中球をより活性化します。さらに抗原に合致する受容体を持ったB細胞を活性化し、形質細胞へと変化させます。
形質細胞は敵の抗原に結合するタンパク質(抗体)を作りだすことができます。作られた抗体は、血液の流れに乗ってすばやく全身をめぐり、毛細血管からにじみ出て、敵がいる戦場へと届けられます。そして、抗体は敵の表面にある抗原に結合し、敵を目立たせます。抗体が結合し、目立つようになった敵たちは、マクロファージや好中球にとって見つけやすくなり、より集中的に攻撃されるようになるのです。
一方、CD8という目印をもつエフェクターT細胞は、ヘルパーT細胞が放出するサイトカインの影響を受け、殺傷能力が高まり、キラーT細胞として本格的に働ける状態になります。キラーT細胞はリンパ節から敵がいる戦場まで移動し、敵が感染した細胞ごと攻撃して破壊します。
戦いを終えると多くのヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞は消滅しますが、一部は記憶細胞として体の中に残り、次回の感染に備えます。
前回のお話しに出てきたマクロファージや好中球、NK細胞は、体に敵が侵入するとすぐに対応する先発隊のような存在です。一方、今回お話ししたT細胞やB細胞は、敵の特徴を見極めて的確に攻撃する識別チームとも言えます。マクロファージや好中球、NK細胞が担うしくみを「自然免疫」、T細胞やB細胞が担うしくみを「獲得免疫」と呼びます。白血球たちは、この2つの戦術を使い分けながら、体を守っているのです。
次回は、血液の働き『③止血』についてお話しします。