こんにちは!
これまでに血液の働きの『①物を運ぶ』と『②敵と戦う』についてお話ししてきました。血液の細胞成分には赤血球と白血球と血小板がありました。『①物を運ぶ』働きをしているのは主に赤血球(酸素以外の物質は血漿が運びます)、『②敵と戦う』働きをしているのは白血球でした。残る血小板はなにをしているのか…それが今回のお話しです。
皮膚がケガなどで切れると、血管が傷ついて破れ、血液は血管外に漏れ出してしまいます。これがいわゆる出血です。この出血をいち早く食い止めるために、損傷部位に集まり働くのが血小板です。
損傷部位に駆け付けた血小板たちはセロトニンなどの物質を放出します。すると損傷部位の血管が収縮します。これにより出血量を最小限に抑えることができます。さらに損傷部位に集まったたくさんの血小板が積み重なって、傷口をふさぎます。これが一次止血です。

一次止血でいったん出血は止まりますが、これは応急処置のようなものです。血小板同士の結合はそれほど強くはないので、このままでは再び傷口が開いてしまうことがあります。そのため、体にはもう一段階強力な止血の仕組みが備わっています。
実は血液の中には、出血した時に血液を固めて出血を止めるはたらきをする「凝固因子」というタンパク質が流れています。出血が起きたときには、それらが働いてすぐに止血できるように準備しているのです。
通常、これらの凝固因子は不活性な状態で存在しているため、血液は普段は固まりません。けれども、血管が損傷すると、普段は血液と接していない血管壁の下層にある細胞が露出します。これらの細胞の表面には「組織因子」と呼ばれるタンパク質が存在していて、これが血液中の凝固因子と接触することで凝固因子の活性化が始まります。
凝固因子は複数あり、ドミノ倒しのように次々と活性化されていくことで、最終的に「フィブリン」という繊維状のタンパク質が作られます。フィブリンはたくさん集まると網のような構造になり、傷口をふさぎます。このフィブリンの網に血小板や赤血球が絡みつき、しっかりとした塊(血栓)を形成します。これが二次止血です。一次止血よりも強固な構造となるため、本格的に出血をとめることができるのです。この血栓は、やがて乾いて固まり、かさぶたとなります。かさぶたは傷口を保護する役目も果たします。
ちなみに、二次止血で形成される血栓は、傷口をふさぐために必要なものであり、血管内で不要にできてしまう病的な血栓とは異なります。
次回は、血液細胞がどうやって作られているのかというお話しをします。